歴史が息づく場所──出水麓の庭づくり
鹿児島県の出水麓地区は江戸時代初期に薩摩藩が外城として築いた街です。
伝統的建造物群保存地区や日本遺産にも指定されていて、武士が暮らしていた当時の街並みが今でも残っています。

2021年11月27日撮影
「出水麓の家」を訪ねて来ました
10月末の日中、関東では肌寒いぐらいの気温でしたが、鹿児島は半袖でも十分でした。
着いたのは夕方の6時頃、日も暮れ始め、玄関前で立話をしているとすっかり暗くなってしまいました。

夜の玄関前は照明の効果もあり、店舗のような雰囲気です。日常的には控えめにしていて、街のイベントや来客がある時だけ、雰囲気作りのために灯しているそうです。
庭づくりは建築主が植木屋さんと一緒に作り上げた力作です。
玉石を積み上げた街並みには切石がよく似合います。利便性を考えると土間をコンクリートで固めたほうが良いのでしょうが、それでは街並みを壊してしまいます。
切石を並べたり、犬走りを三和土で仕上げたりと家族で時間をかけて作り上げた庭は、この街にとってお手本になるのではないでしょうか。

翌日の朝の風景
ところで現代美術家の杉本博司さんがおっしゃっていましたが、「石を集めていると、自然と石が集まってくる」と。
ここの石たちも建築主の求めに応じて、気がつくと集まっていたようです、不思議ですね。
木下治仁
一級建築士/合同会社HKA 代表
1975年鹿児島県生まれ。田中敏溥建築設計事務所に13年間勤務し、2016年に独立、2024年に合同会社HKAを設立。東京・代々木を拠点に、木造注文住宅・古民家再生・リフォームの設計監理を手がける。ウッドデザイン賞2度、木の建築賞 職人のチカラ賞受賞。



