工務店と建築家の新しい関係が見えてきました!

福岡市で開催された「日本の木の家づくりサミットin博多」に参加してきました。
主催はNPO法人環境共棲住宅「地球の会」、国産材を使い木造軸組構法で家づくりをしている全国の地域工務店のグループです。
私が参加した目的の一つが、昨年11月から始まった「工務店・設計事務所の大交流会!」 分科会の成果発表です。分科会には建築家5名と工務店11社15名の20名が、一年かけて令和の新しい協業を模索してたどり着いた成果の報告です。
(私はオブザーバーとして、この一年、みんなと一緒に活動をしまいた)
まず問題になっていたのが、一般的に地域工務店と建築家(設計事務所)は「いい住まいを作りたい」という同じ思いを持ちながら、あまり仲が良い(良い関係)とは言えないことでした。
そこで、なぜ仲が良くないのかその理由を知るには、まずはお互いをよく理解することが必要だという出発点に立ち、一年で8回(大阪5回、兵庫、福井、岐阜)、話し合いをしました。
結果、たどり着いたのは、「お互いの理解と、理解するために関係を継続することが重要!」だということです。
成果として「チエノワ会」という交流の場を設けて、今後も継続して見学会や勉強会、相談会など交流を続けていくことになりました。

分科会リーダー、建築家の武川さんの発表

福井市の工務店、長森建設 藤田さんの発表

大阪狭山市の工務店、中瀬古工務店 中瀬古さんの発表
私も発表をしました
結果は、あまりうまく発表ができませんでしたので、発表するつもりで用意していた内容をこちらに記しておこうと思います。


私は地域工務店との協業経験があることから、この分科会に参加しました。この会場にもすでに私の「家づくりの仲間」がおられます。
この分科会に建築家が5名参加しましたので、私が代表として感想を述べさせて頂きます。

まず、明らかになったのは、建築家と工務店の間には想像していたとおり深い溝があるということでした。
そこには、
お互いの仕事の進め方や仕事への向き合い方が違う
建築家が対等ではない一方的な関係性を押し付ける
やる気、モチベーションの相違がある
これらが溝をさらに深くしているという事実です。
今まで、その深い溝は測ることができず、お互い想像以上に深く感じていたと思います。そこで、まずは時間をかけて本音でお互いを知り、溝の深さを測ることから始めました。
結果、はっきりとしてきたのが、この分科会に参加した建築家と工務店の溝は浅く、埋めることができるということでした。

工務店の皆様へ
分科会を通じて明らかになった、建築家への不信感を取り払うために、私たちと一緒に、まずは建築家の“人間性”を知ることから始めてみませんか?
価値観や感性が合う建築家に出会い、建築家と一緒になって、まだ見たことがない新しい関係にチャレンジしてみませんか?
チャレンジするという行為が、必ず良い結果につながっていきます!
『チエノワ会』へのご参加をお待ちしています!
建築家の皆様へ
私たち建築家にできることは設計以外にもたくさんあります。建築家の職能は設計をすることだけではありません。
建築家の思いは、工務店を通じて地域に伝播させることができます。暮らしや住環境を、街並みを良くすることができるのです。一人の力では無理でも、工務店と協業することでもっと大きな成果を出す場があるのです。
私たちと一緒に、工務店の仕事を理解して、別な視点から建築家の新しい役割を作り出しませんか?
建築家としての生き方がもっと豊かになると確信しています!
『チエノワ会』へのご参加をお待ちしています!
最後になりますが、
この一年、この分科会で工務店や建築家との交流を続け、私には新たに「家づくりの仲間」が約20名増えました。
この仲間とはお互いに本音で言い合えると感じていますし、また、私の今までの経験を十分に発揮できると思います。
これからは『チエノワ会』の一員として、引き続き新しい関係を築いていきたいと思います。

私の感想です
この分科会の感想をマラソンに例えると、
「みんなと一緒に走り抜いた気分で、記録のことは気にせずに次の大会に向けてまたみんなで練習していきたい!」
です。
私はよく「家づくりの仲間」という表現をしますが、良い家を作りたいと頑張っている全国の建築家、工務店の方々を仲間だと思っています。
一人ではなく仲間で良い家を作り続けていけば、日本の住環境はもっと良くなり、街並みがもっと良くなっていくと信じています。
これからも「チエノワ会」を通じて「家づくりの仲間」を増やしていきたいと思います。
木下治仁
一級建築士/合同会社HKA 代表
1975年鹿児島県生まれ。田中敏溥建築設計事務所に13年間勤務し、2016年に独立、2024年に合同会社HKAを設立。東京・代々木を拠点に、木造注文住宅・古民家再生・リフォームの設計監理を手がける。ウッドデザイン賞2度、木の建築賞 職人のチカラ賞受賞。



